心理カウンセリングやヒプノセラピー(催眠療法)もやっている精神科医です。内科経験もあり。メンタルヘルス、人生のこと 、思索、エッセイ、旅、音楽、ギター、ひとり言 etc.  息抜きに読んで頂ければ幸いです。3.11以降は、原発関連の情報中心です。
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     「ヒロシマ・ナガサキへの原爆投下などなかった。日本人のねつ造だ」という内容の本がアメリカ全土の書店に平積みにされていたとしたら、日本人はどんな反応をするだろうか。あるいは日本政府はどういう対応をするだろうか。想像してみて欲しい。

     では、南京大虐殺の史実そのものが全く無かったと主張し、沖縄での集団自決も「証拠資料が無い」と否定するような、そんな漫画が公然と書店に出回っているとしたら?
     日本人(本土人)としての集団的犯罪と指摘されても反論のしようがなさそうに思う。けれど、それがいまの日本社会の現実なのである。『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』(小林よしのり)が、何故発禁処分にならないのか、不思議でしょうがない。

     
     長谷川きよしのアルバム、『心中(しんちゅう)日本』ーーー日本が心中(しんじゅう)するようなイメージをもたらすという理由。警察官の職務質問のおかしさを笑いに仕立て上げたギャグソング、泉谷しげるの『黒い鞄』ーーー警察官に対する偏見をもたらすという理由。
     そんな、とりとめも無い理由で事実上の発禁処分になった歌なんて無数にあるのに、中国や沖縄の人々に対する殺戮の歴史を抹殺しようとする差別主義丸出しの漫画が、何故公然と書店に並べられているのか。

     やはり、日本政府や日本人は再び『戦争を起こしたい』、沖縄に犠牲を強いて当然と思っているに違いない。そう思われても仕方が無いと思う。
     仮定ではなく、事実普天間基地を巡って、再び沖縄に犠牲を強いようとしているのだから。先日の参院選投票率が沖縄で最低だったのも当然である。
     


     日清戦争後、「台湾」を大日本帝国に編入し、中国東北部を占領した関東軍が「満州国」という植民地をでっち上げたことに、日本人のほとんど誰も反対しなかった。イギリス領マレー、シンガポールへの日本軍進攻も真珠湾への奇襲攻撃も、当時の日本人にとっては、反対するどころか拍手喝采の戦勝であった。

     「気がついたら戦争になっていて、反対などできなかった」とは、ずるい言い訳としか思えない。日清戦争、日露戦争、第一次大戦を通して、日本経済が急速な資本主義化、近代化を進めていったことを、上から下まで、殆どの日本人は誰も反対しなかったではないか。「兵隊さん」は国民的英雄であり、子どもたちの憧れの的でさえあったではないか。

     「大東亜戦争」(南方侵略)、「日中戦争」(中国侵略)の延長線上で、ドイツ・イタリアとともに第二次世界大戦へと、国民こぞって戦争を拡大していったのではなかったか。



     湾岸戦争後の1991年、自衛隊をペルシャ湾に派遣したのも、2003年、陸上部隊をイラクに派兵したのも、決して「戦争がやってきた」のではない。アメリカの戦争を後押ししに、国家と国民の意思として自ら出向いて行ったのだという政治的現実は、明確に自覚していなければならないと思う。


                          つづく

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    【2010/08/04 20:00】 | 社会
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