心理カウンセリングやヒプノセラピー(催眠療法)もやっている精神科医です。内科経験もあり。メンタルヘルス、人生のこと 、思索、エッセイ、旅、音楽、ギター、ひとり言 etc.  息抜きに読んで頂ければ幸いです。3.11以降は、原発関連の情報中心です。
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     人間の生活が自然から遠ざかり、人工物に囲まれるようになるにつれ、かつて世の中のあちこちに漂っていた、活気や生気や色気が無くなってきたように思います。創られる文化や社会も均質化され、無機質で活力のないものになってきました。そこで育つ子どもたちの「生きる力」も衰えてきています。

     「かつて漂っていた、活気や生気や色気」の実体が何なのかは、言葉では表現しがたいのですが・・・、自然の風景や、風の匂いや、動物や人間の生身の体や・・・、何か「生」を実感させる艶(なまめ)かしさとでも言ったらいいのでしょうか。広い意味でのエロス。そういう、周囲に漂うエロスの中に溶け込んで生きていたと思います。


     「性」は「生」の重要な部分であり、二極性をもつことで、「生」に「動き」が与えられます。それは社会の中だけではなく、個の内面においても「男性性」と「女性性」・・・二極の間を揺れ動きながら、統合を繰り返していくように思います。


     男性性(女性性)の鎧を強固にまとっている男性(女性)は、「内なる異性」を統合できないまま、抑圧していることが多いものです。

     同性愛者であることを公然と露出し、自らの「女性性」をも堂々と表現してきた美輪明宏に男性的な心性を強く感じ、身体的コンプレックスから、ジムに通って筋肉を鍛え上げ、「男性性」を強調しようとした三島由紀夫の方が、寧ろ女性的感受性に鋭敏だった印象を受けるのは、内なる「異性」に対してどう向き合っているかが、それぞれに対照的だったからなのだと思います。


     確かに社会的に認知される「性」はありますが、心はもっと多くの位相で「性」を感じ取っていると思うのです。

     「男は男らしく、女は女らしく」ではなく、寧ろ男はもっと内なる「女性性」を、女はもっと内なる「男性性」を自覚し、解放した方がいいのだと思います。そういう意味で、もっと「女性性」と「男性性」を意識し、強調し、そして統合していくことの方が、衰退しつつあるエロスを回復する道につながるように思います。

     「性差」あるいは「性」の二極性が消滅するとき、エロスは退廃し、私たちの生活の場に自然のエネルギーは流れ込まなくなることでしょう。生ける屍のような、無味無臭の味気ないシステムの骸骨だけが残るに違いないと、そう思いませんか。



    【2010/10/21 07:26】 | 社会
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    初めまして
    リカ
    初めまして!リカと申します。
    とても興味深く拝読させていただきました。

    >「性差」あるいは「性」の二極性が消滅

    ジェンダーフリーの間違った方向ですよね><
    よく言われますが「二色刷りから多色刷りへ」、これがジェンダーフリーの本質だと思います。その「多色刷り」の中に、いわゆる「女性的」「男性的」なものを軸とした指針があるのは一向にかまわない、というか当然のことでしょう。

    しかし、言葉が悪いですよね。
    生まれ持った性別と、「女性的」「男性的」なものが不可分のものだと勘違いさせるようなこの言葉は、もっと別の言葉で言い表せないものか…と思ったりもします。

    ここまで書いて「あれっ?なんか主旨が記事からズレてしまっているかも;」と思いましたが、一応記事を読ませて頂いて感じたことです。

    これからも面白い記事を期待しています。
    ありがとうございました。


    アポロン
    >リカ様
    コメントありがとうございました。

    確かに「女性性」も「男性性」も、何だかわかるようでわからない言葉です。じゃあ、バイセクシュアルとかユニセクシュアルとかホモセクシュアルとかはどうなるの???と思います。

    基本は「マルチセクシュアル」で、そのサブタイプとしてヘテロセクシュアル(異性愛)やホモセクシュアル(同性愛)もあると、そう考えれば同性愛者への偏見や差別も少なくなりはしないかと・・・。

    みんなが「均質」(一色刷り)を目指そうとすると、その色に染まらない人を排除したり差別しようとする圧力が働きます。例えば「不登校」もその一例かも知れません。

    多様な生き方(多色刷り)を認めることが大事なのだとも思います。

    で、人間は本来「多重人格」だとも思ってるんですけどね。
    http://plaza.rakuten.co.jp/ishikiya/diary/200804160000/

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