心理カウンセリングやヒプノセラピー(催眠療法)もやっている精神科医です。内科経験もあり。メンタルヘルス、人生のこと 、思索、エッセイ、旅、音楽、ギター、ひとり言 etc.  息抜きに読んで頂ければ幸いです。3.11以降は、原発関連の情報中心です。
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     入院中の父の食事介護を、やり始めました。

     昼夜逆転して眠りがちな父に「おいしいよ!おいしいよ!」と声を掛けながら、スプーンを口元に当てると、赤ん坊の様に本能的に吸い付きます。食べ物を口の中に入れたまま目を閉じるので、すかさず二口目を差し入れます。すると、また口が動いて、咀嚼と嚥下動作が繰り返されます。
     
     一度飲み込むのを待っているよりも、リズミカルに次から次にスプーンを持っていくと、自然に咀嚼と嚥下が連動してスムースに食事が入っていきます。そのタイミングがコツだという事に、最近気づきました。

     まるで、おっぱいを飲ませる母親のような気分になってしまいます。
     最低45分から、長ければ1時間位かかるのですが、そんなに長くは感じません。少しでも食物が胃袋に落ちていくのを確かめていると、何だか頼もしくなって、こちらもはりきってしまいます。

     普段半分も食べない食事を「副食完食、主食3分の1」なんて、看護士さんに報告するのが、楽しくなってしまいます。

     食べても食べても体重が増えないのは寂しいけれど・・・。
     
     これが、子育てだと快感は数倍だろうか?!なんて勝手に想像してしまいます。

     ただし、多くの勤労男性は、そんなことをできる時間的余裕はないでしょうけれど・・・。



     食物をとってきて子どもに食べさせる(feeding)のは、メスだけの行動ではなく、オスの動物もやることです。
     「ヒト」のオスたちは「金を稼いでくる」いう下世話な行為で、それを代替するようになってきたところから、多分「父性」も「男の内なる母性」も、その内実が変わってきてしまったのだろうと思います。
     直感的で原始的で自然な感性から引き離され、工場や事務所や兵営でのように、非人間的で人工的な、チャプリンの『モダン・タイムス』のような世界に適応させられるようになってきたのでしょう。


     人間は「社会」を形成することで、自然に備わっている「父性」や「母性」や「親性」を、歪めてきたのかもしれません。

     この、原初的で連環的で、体感に密接したエロティックな行為の快楽から、男たちはここ何百年か遠ざけられ、疎外されてきたとも言えるでしょう。その不自然さと、自らにとっての不利益を自覚できなかった男たちと女たちの歴史。

     そんな視点こそが、多分これからの社会的テーマになっていく・・・、いや、ぜひテーマになって欲しいと思います。


     こんな言い方もできます。

     「男たちよ!奪われてきた自らの母性と自らの自然を奪還せよ!」
     「賃金労働の鎖を断ち切って、自然労働を奪い返せ!」と。


     「女にも(賃金)労働の機会を与えよ!」の時代から、「男にも自然労働(家事、育児)の機会を与えよ!」という時代に、移行していく方がよさそうに思うのですが。


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    【2011/02/28 07:25】 | 社会
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