心理カウンセリングやヒプノセラピー(催眠療法)もやっている精神科医です。内科経験もあり。メンタルヘルス、人生のこと 、思索、エッセイ、旅、音楽、ギター、ひとり言 etc.  息抜きに読んで頂ければ幸いです。3.11以降は、原発関連の情報中心です。
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     「不安な人にはどう対応すればいいですか?」

     臨床心理士の方に訪ねた事があります。受験生が「試験中にあがってしまったら」という不安だったのですが。
     その時「だいじょうぶ!心配ないよ!」というのは、カウンセリング的対応としては、間違いだと指摘されました。
     「そりゃあ誰でも緊張するし、不安になるよねぇ」という共感で答える方がいいとのことでした。

     もちろん不安の内容にもよりますが。自分だけが、特殊で異常な反応を起こしている思えば思うほど、余計に不安感は増強されます。


     では、現在の福島原発の状況についてはどうでしょう。全く不安を感じない人などいないはずです。この先どうなるか、事故に対処している当事者や政府関係者や専門家でさえ、見通せないのですから。さすがにもはや「だいじょうぶ」、「心配無用」という声は聞かれなくなりました。

     海外のメディアや政府や専門家が驚愕をもって指摘しているのは、東電や日本政府が、事故前後の厳しい状況を正しく人々に伝えていない「隠蔽」体質です。私も、あの異様に冷静さを装った、訳の分からない解説や釈明や、突然上方修正される「危険基準値」などの事を聞くのがバカらしくなって、ここのところテレビは全く見ていません。ああいう態度こそが、人々の不安を不必要に高めている一番の原因だろうと思います。


     「不安」や「恐怖」は、人間としての自己防衛上必要な反応ですから、それ自体が悪い訳でも無用な訳でもありません。寧ろ必要な反応ですし、現地に限らず、放射性物質が世界中に広がっている現在、正しい「不安」をみんなで共有すべきでしょう。

     わかる事とわからない事、できる事とできない事、できるかできないかさえも分からない事の区別はしておいた方がよさそうに思いますが、その上で不可避に起こる現象に対しては腹をくくるしかありません。
     起こり得る全ての事態を引き受ける「覚悟」が必要なのだと思います。

     日本列島全体が、放射能汚染区域になる可能性や、全国的に電力供給が減少する可能性や、さらなる世界不況が深まっていく可能性、私やあなたや、あなたの愛する人が亡くなる可能性・・・ 。「絶対に起こりえない」ことなど、この世にはありません。今回そのことを、私たちは十分に自覚できたのではないのでしょうか。

     本当に「覚悟」した時に不必要な「不安」からは解放されるものだと思います。


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    【2011/03/29 17:04】 | 社会
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