心理カウンセリングやヒプノセラピー(催眠療法)もやっている精神科医です。内科経験もあり。メンタルヘルス、人生のこと 、思索、エッセイ、旅、音楽、ギター、ひとり言 etc.  息抜きに読んで頂ければ幸いです。3.11以降は、原発関連の情報中心です。
    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

    「信頼感って言うのは、言葉で説明を聞いて生まれるものでは無いと思います。」

    「何μSvだったら安全ですかという議論は、私、現実味がないと思うのは、例えば2μSvの学校を測っていても一カ所に行くと33μSvなんです。」

    「最高の施策が福島県民に与えられるように国会で是非考えて頂きたいということです。」

    「広島原爆20個分の天然に無いセシウム137をまき散らした、東電と政府の施策を反省し、これを減らすために全力をあげる以外に、安心できる解決などありえないのです。そのことを抜きにしてどこが安全だと言う議論をいくらやっても国民は絶対信用しません。」


    2011.07.27 国の原発対応に満身の怒り - 児玉龍彦

    児玉龍彦 20110727_衆議院_厚生労働委員会_質疑



     もちろん、立派な科学者や医師はたくさんいます。けれど私がこの方を信頼できるのは、間違いなく被災者、子どもの立場に断ち切っているということ、そのためには自己保身などする気も無いという、そういう思いがひしひしと伝わってくるからです。

     原子力や放射能や内部被曝の話など、科学者にとってさえ未知の部分を秘めた難しい話がたくさん出てきます。そんな特殊かつ専門的な知識など、殆どの人にとっては、チンプンカンプンなのです。
     だから、もうこれ以上不安になりたくない人々にとっては、『な~んにも考えなくてもいいんです。私が安全・安心と言っているんだから大丈夫です』と、そう断言してもらう方が、心の負担はとても軽くなります。

     未だに、妙な「安心」デマを信じている人々は、単に知らないだけではないのだと思います。知りたくないし、知るのが恐いという気持ちも働いているはずです。被災地においてこそ、そういう心理的傾向は起こり易いだろうとも思えます。なにせ、事態の時空的全容は目に見えず、とりあえず言葉を信じるしか無いのですから。「大丈夫」という言葉にすがりつきたくもなります。


     教授は、身を挺して何回も南相馬に足を運んで、住民との信頼関係をしっかり築いておられるからこそ、わかるのだと思います。「言葉で説明を聞いて」信頼されるのではなという、単純明快な真理が。

     小さな子どもでさえ(だからこそ)、ちゃんと本当のことを親から聞けば信じます。内容を理解するのではなく、親がどれだけ必死で自分たちを守ろうとしているかを察知して、行動します。

     大人だって、本質的にはそうでしょう。様々な情報の中から、「信頼できる」情報を選び取ろうとするでしょうが、それが絶対に正しいという保証はないのです。「事故が九州でなくて良かった」と思い込んで、無造作にいろんなものを口にして、たくさんの放射性物質を体内に取り込む人もいるでしょうし、やがて日本中がチェルノブイリから遠く離れたイギリスの汚染地域のようになるかもしれませんし、ならないのかも知れません。

     原発事故に関して言えるのは、本当に大切に思う人のためには、最大限の安全策と、より安心できる行動をとるべきだろうことです。当事者の東電でさえ、社員とその家族にだけは、事故直後、直ちに遠くに避難するよう指示を出したのですから。



     そこに、「情報」というものの最も本質的な真理が隠されています。つまり極めて主観的な「情」に彩られた「報せ」が人から人に届けられる、それが一番重要な「情報」であるという事実です。

     「メディアリテラシー」など、大して重要ではありません。直接「情」のからまない無機質なデータを、一定の経験則やリサーチ力を用いて、データの信憑性や優劣などを比較するだけの話で、それは人生の一大事のような重要な局面では役に立ちはしません。

     ある日突然、誰かと恋に陥るように、重要な決定は人と人の間に流れる「情」や主観や直感によってこそなされます。逆に恋愛マニュアル本を読んで、戦略的に行動した途端に、本当の恋は出来なくなってしまうものです。



     児玉教授の息子さんがツイッター上で父のことを語っています。


         「俺は、この人の息子で良かった。」
     
     もしも僕が児玉さんの立場なら、こんなわが子の言葉を聞けるなら、自分の地位がどうなろうが、その場で命果てようが、決して悔いはないことでしょう。


     そして、思います。この人の「情報」なら信じて間違っても悔いはないと。


    スポンサーサイト

    【2011/07/30 00:39】 | 社会
    トラックバック(0) |
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。