心理カウンセリングやヒプノセラピー(催眠療法)もやっている精神科医です。内科経験もあり。メンタルヘルス、人生のこと 、思索、エッセイ、旅、音楽、ギター、ひとり言 etc.  息抜きに読んで頂ければ幸いです。3.11以降は、原発関連の情報中心です。
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     20代の頃、『戦争はまた起こるに違いない』と思っていた。
     
     なぜ第二次世界大戦が勃発したのか、日本の誰が戦争の主導権を握っていたのか、誰がその責任をとったのか、それらは明らかにはされないまま、戦後、ぼくたちが生まれた頃には「自衛隊」という軍隊が既に存在していた。
     古い世代からは「反対のしようがなかった」、「日本の状況から止むを得なかった」という弁明の言葉以外聞かなかったように思う。当時、強固な意志をもって反対した人々も、為政者によってだけではなく、同じ国民や民衆によって弾圧されていった。それらの弾圧に対する謝罪も全くない。
     「戦後、『騙された』という人間は無数にいたが、オレが『騙した』という者は一人もいなかった」と、誰かが言っていた。

     戦後何の反省も、責任の追及も、謝罪もないまま、戦争を二度と起こさない、起こらないという確たる保証もないまま、「自衛隊」という既成事実だけは厳然としてあり、しかも当時既に世界有数の装備を備えていたわけだから。『戦争はまた起こるに違いない』と20代の僕が考えていたのは当然だと思える。

     同世代や後輩たちに話すと、「今度戦争になったら、核戦争になって人類そのものが滅びてしまうから、二度と起こらないと思う」とか、「日本には平和憲法があるから大丈夫」とか・・・。理由はともかく、殆どの若者が戦争が起こるなんて思っていなかったという現実も、僕には受け入れ難かった。

     医学部に入学後すぐに『731部隊』に関する映画上映会を開いた。
     文化祭にはサークルの企画で、日本の侵略戦争の写真展をやった。惨殺された中国やアジアの人々の写真もあった。その時、ひとりの女子学生が、「こんな汚いもの!!!」と、大きな怒声を残して会場を飛び出して行った。『あなたの心の方がよほど汚い』と、心の中で呟いたけれど、怒りと失望の入り交じった感情で一杯だった。


     その頃は、まだまだ牧歌的だったのかと、いまになって思っている。
     日本人は、とうとうここまで来てしまったのだから。

                                 つづく


    【2010/08/03 20:36】 | 社会
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