バアさん 「ジイさんや!低いとこの梅はちぎったけぇ、高いとこの梅を枝ごと伐っとくれ!」
ジイさん 「あ~あ。つらい仕事はいつもワシじゃ!」
バアさん 「何か言うた?梅の実洗うの、大変なんよ。手間のかかる仕事はいつもアタシ・・・」
ジイさん 「え~い。切っちゃえ、切っちゃえ!」
バアさん 「あららららぁああ。ジイさん。そんなアンバランスな切り方して~。あんた、それでもアセンダント、天秤座?!」
ジイさん 「はぁ? 何でそんなこと言われないかん! ワシは、太陽が射手座じゃけん、斬れと言われりゃ、とことん斬るぜよ!」
バアさん 「しょうもないとこで、坂本龍馬の真似なんかせんでよ!」
ジイさん 「おお! バアさん! 2週間前に漬けたやつが、もうシロップになっとるぞ!!!」
そして、梅シロップを飲んだ二人は、その夜同じ夢を見たのでした。
夢の中で梅の木が恨めしそうに呟いていました。
梅の木 「あ~あ~。せっかく1年かけて育ってきたのになぁ~。けちょんけちょんに切られちゃったよ! 毎年一番苦労してるのは、オレなんだけどなぁ・・・。」
それから二人は毎日、梅の木に呼びかけるようにしました。
「来年からは切らなくてもいいように・・・、
梅シロップや梅酒を枝に実らせておくれ!
それができなきゃ、根元から切っちゃうからね!!!」
そうです。
昔話に出てくるジイさん、バアさんはいい人とは限らないのです。
という教訓でした(笑)
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